脳血管障害(脳卒中)Cerebral Vascular Disorder
WHO(世界保健機構)では、鍼灸治療が 脳卒中の後遺症 に適応であることを認めています。
脳血管障害とは
脳血管障害とは脳血管の病変により起こる病態。
脳血管障害の大部分は突然発症するため、脳卒中と呼ばれている。
脳血管障害の分類
○破れる (脳出血)…脳内出血(狭義の脳出血)、クモ膜下出血など
○詰る (脳梗塞)…脳血栓症、脳塞栓症、一過性脳虚血発作(TIA)
脳出血死<脳梗塞死
【高血圧症の管理、食生活の改善(食塩制限など)と欧米化、診断技術の進歩などにより】
脳血管障害の危険因子
脳血管障害の臨床症状
脳卒中は突発し、意識障害や局所神経症状を呈し、様態が経時的に変化することに特徴がある。
○意識障害
- 脳幹の障害…急速に著明な意識障害、突然の昏睡あり 【脳幹の網様態系障害】
- 大脳半球の広範な障害(通常両側)…突然の昏睡はない 【病巣周囲から次第に拡大する脳浮腫による】
○脳圧亢進 【血腫・脳腫瘍、脳浮腫、水頭症】
- 頭痛、嘔気・嘔吐、うっ血乳頭、意識レベル低下(意識障害)、いびき
- 外転神経麻痺(複視)
- クッシング現象…脳ヘルニアの直前状態であることを示す。
【脳幹下部の脳圧亢進による乏血状態に対する生体の代償作用】
○髄膜刺激症状 【クモ膜下腔の炎症・出血・圧上昇などによって起こる症状】
- (自覚症状)頭痛、悪心、嘔吐
- (他覚的所見)項部硬直、ケルニッヒ徴候、ブルジンスキー徴候
○脳の局所症候(巣症状)
病変部位により局所神経症状は多彩。クモ膜下出血では、通常、局所徴候はみられない。
- 片麻痺
- 顔面神経麻痺
- 半身感覚障害
- 失神 【一過性の脳虚血が基本病態】
- 失語…優位側病変の場合
- 失行
- 失認
○眼球症状
- 複視 【第Ⅲ、IV、Ⅵ脳神経の障害ないし神経・筋接合部疾患(重症筋無力症)etc】
- 共同偏視
- 縮瞳
○その他の症状
脳出血
脳血管の破錠により脳実質内へ出血した状態
脳出血の発生機序
- 脳出血の原因
高血圧(ほとんどがこれにあたる)
脳動静脈奇形の破錠、もやもや病 - 脳出血の病態
穿通枝が持続する高血圧により血管壊死を起こし、穿通枝に形成された小動脈瘤が破綻
→形成された血腫によって神経が破綻(1次的脳障害)
血腫に圧迫されて頭蓋内圧が亢進(2次的脳障害)
→脳障害によって生じる脳の局所症状を示す - 約3/4は大脳半球に起こる(最多) 被殻(45%) 視床(30%)
脳出血の症状
多くは、活動時に発症 症状は進行性で、数分~数時間の経過で進展
血腫の部位と大きさによって種々の程度の頭痛、意識障害、脳局所症状etcがみられる
- 被殻出血 【中大脳動脈の穿通枝(レンズ核線条体動脈)の出血→内包を侵す】
突然の片麻痺(対側)、頭痛
・病巣側を向く共同偏視を来たす - 視床出血 【後大脳動脈の枝 (視床穿通動脈)の出血→ 内包を侵す】
突然の頭痛、不全片麻痺
激しい感覚障害(対側)
・病巣側or(内)内下方を向く共同偏視 - 橋出血 【脳低動脈の技(正中穿通動脈)の出血】
突然の意識障害(予後不良) 【頭蓋内圧上昇し、脳ヘルニア】
四肢麻痺 【内包を侵す】
眼球は正中位固定or健側を向く
著明な縮瞳 【交感神経線維を損傷】⇔対光反射正常【動眼神経は正常】
高熱、呼吸異常 【中枢性過換気】 - 小脳出血 【上小脳動脈の枝の破綻】
突然の激しい頭痛(後頭部痛)、眼振、めまい、反復する嘔吐反射、失調
失調性歩行 【初期より歩行が不能】
・健側をにらむ共同偏視、縮瞳⇔対光反射正常
脳梗塞
脳の血流が途絶し、その血管により栄養されている部位の脳が壊死に陥った状態
脳血管疾患の死因のなかで最多(62%)
脳梗塞の発生機序
○脳血栓症
- 狭窄した血管に血小板が付着し、生じた凝固塊によって末梢の血行が遮断される病態
- 原因…脳血管のアテローム動脈硬化(最多)
- 危険因子…高血圧症、糖尿病、高尿酸血症、高脂血症、喫煙、肥満
女性では経口避妊薬の常用も関連があるとされる - 壮・高齢者の男性に好発
*アテローム血栓梗塞
前駆症状:一過性脳虚血発作が多い
安静時、起床後まもなくの発症が多い
進展は緩除、階段的に増悪(数時間~数日)
○脳塞栓症
- 何らかの理由で生じた凝固塊が血行性に飛ばされ、特定の血管にはまり込み末梢の血行が遮断される病態
- 原因…心臓で生じた血栓(理由の大半がこれ)
(栓子の原因となる心疾患)心房細動、非弁膜症性心房細動、人口弁置換後、心筋梗塞、弁膜症
動脈壁、大動脈弓壁の血栓が剥離した
その他、空気、脂肪、腫瘍 - 若~高齢者に好発
- 一過性脳虚血発作の前駆症状は少ない
安静時に起こりやすい 但し、心原性脳塞栓に限ると、日中の活動時に多い
突発性、再発性に出現し、一挙に完成
*心原性脳梗塞は出血性梗塞を起こしやすい
脳梗塞の症状
梗塞部位と大きさにより様々
- 頭痛はない or 軽度
意識障害は軽いものが多い - 局所神経症状
ex. 片麻痺、感覚障害、半盲
(優位半球障害)失語、失認
(非優位半球障害)失行
脳血管障害の精神的および感情的要因
~断念。
~抵抗。
~死んでも変わりたくない。
~人生を拒絶。
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自分で出来る脳血管障害のお灸のツボ(経穴・つぼ)
○脳卒中後遺症に: 指端の灸 患側にすえ、熱くない指には感じるまですえる
肩井(けんせい)、 膏肓(こうこう)、 天柱(てんちゅう)、 曲池(きょくち)、
手三里(てさんり)、 下廉(げれん)、 間使(かんし)、 風市(ふうち)、
足三里(あしさんり)、 解谿(かいけい)
脳血管障害のヨガ・セラピー
アサナ
パワンムクタサナ1
プラナヤマ
仰臥位でのやさしいプラナヤマ
他
ヨガニドラ、 アジャパジャパ
脳血管障害のレイキ・ヒーリング(霊気療法)
○チャクラについて »
Chakras
サハスララ Crown(Sahasrara Chakra)
アナハタ・チャクラ Anahata(Heart Chakra)
Positions
基本ポジション+反応のあるところ、頭部、背部。
脳血管障害の食事法
食事法は、高血圧・動脈硬化・脳溢血は同じで玄米菜食の自然食を実行するとよい。
主食
半つき米、または玄米御飯、玄米黒豆御飯、玄米小豆御飯、玄米はと麦御飯、玄米餅、きび、あわ、ひえ、全麦粉パン。御飯には必ず、すりごまのふりかけ(黒ゴマを炒り、自然塩で薄味をつける)をたっぷりかけて食べること。
副食
人参、大根、ごぼう、れんこんなどの根菜類、じゃがいも、らっきょう、玉ねぎ、セロリ、パセリ、その他の野菜を彩りよく、根と葉を抱き合わせに利用する。よもぎの入った玄米餅、たんぽぽの根のきんぴら、かぼちゃなど主にとる。肉をとる人は果物、トマト、瓜類、生野菜などを多めにとること。
飲み物
ビワ茶、すぎな茶、どくだみ茶、ゲンノショウコ、ハブ草の実、イチョウの葉などをブレンドしたお茶。よもぎの青汁を毎日盃一杯くらい飲む。柿の葉、クローバー、ハコベの青汁などもよい。こんぶ茶、番茶、梅肉エキスもよい。
禁ずるもの
肉類、脂の多い魚、白砂糖、砂糖入りの加工品(黒砂糖、はちみつ少々ならよい)、アルコール類、刺激物、自然醸造でない味噌・醤油・酢(梅酢がよい)、食品添加物入りの加工食品、間食をやめ、一日二回か三回の食事をよくかんで少食にする。