消化性潰瘍(胃潰瘍・十二指腸潰瘍) Peptic ulcer
WHO(世界保健機構)では、鍼灸治療が 胃潰瘍・十二指腸潰瘍 に適応であることを認めています。
消化性潰瘍とは
消化性潰瘍 ≒ 胃潰瘍 (Gastric ulcer)、十二指腸潰瘍(duodenal ulcer)の総称
病変部位により胃潰瘍、十二指腸潰瘍に分類(病態生理上、若干に違いあり)
消化性潰瘍の概念
主に胃酸などを含む胃液により胃・十二指腸粘膜に潰瘍を生じたもの
【粘膜の自己消化による組織欠損】
消化性潰瘍:潰瘍はやがて修復されるものの、しばしば再発し、その後も治癒と再発を反復しながら慢性に経過することがあるが、
このようになると、消化性潰瘍という病名がつけられる。
組織欠損の深さが
粘膜筋層を越えたえぐれ → 潰瘍
粘膜固有層のみ → びらん;瘢痕を残さず治癒する
消化性潰瘍の病態
防御因子と攻撃因子のバランスが、攻撃因子優位に傾くことにより潰瘍が生じる
防御因子(粘液、血流、重炭酸イオン、プロスタグランジンetc)減少
攻撃因子(胃酸、ペプシン、ガストリン)上昇
胃・十二指腸潰瘍の多くにHelicobacter pyliri 菌感染が認められる。
*防御因子を減弱させるもの
慢性肺気腫、喫煙、肝硬変、関節リウマチ、低栄養
ステロイド、NSADs(胃壁プロスタグランジン合成阻害薬)、腎不全、糖尿病
*攻撃因子を増強させるもの
ストレス(熱傷、大手術) 【自律神経系を介した胃粘膜血流減少など】
薬剤(ステロイド、非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSADs)、インスリン、ヒスタミン、アスピリン)
消化性潰瘍の症状
- 腹痛 … 多くは上腹部に限局し、典型的には心窩部痛
【胃酸分泌過多 → 粘膜障害】
特徴~食事と密接な関係がある腹痛 - 胸やけ、げっぷ、呑酸、悪心・嘔吐、膨満感
【高酸例で多いが、低酸でも出現する】 - 上腹部に圧痛
胃潰瘍 → 正中より左側に多い
十二指腸潰場 → 正中より右側に多い
〔圧痛点〕ボアス点:左第10~12胸椎側点
小野寺臀部点:腸骨稜3cm下方点
消化性潰瘍の合併症
- 出血 … 吐血 → 原則としてコーヒー残渣様
【潰瘍のえぐれが血管に及ぶと出血】
下血 → タール便
(少量)便の色不変、〔便潜血反応陽性〕 - 穿孔 … 腹部全体に及ぶ激しい激痛 → 腹膜刺激症状 【汎発性腹膜炎を来した】
(放置)出血性ショック - 穿通 【腹膜炎は限局性】
- 狭窄 → 通過障害 【幽門部や十二指腸球部の潰瘍が瘢痕化して狭窄】
消化性潰瘍の検査
〔X腺造影〕
- ニッシェ : 粘膜ひだの集中像
- 線状潰瘍 : 胃は嚢状に変形(嚢状胃)
- クローバー状変形 : 球部にタッシェ(衣嚢)を形成し、十二指腸はクローバー状に
〔生検〕Helicobacter pylori菌の感染
消化性潰瘍の東洋医学的な見方
分類
- 《虚寒》:心窩部の持続的疼痛、空腹時に著しい。ものを食べるとやや軽くなる。温めたり押さえると楽になる。
- 《肝鬱》:心窩部の陣発性疼痛で、灼熱感がある。ものを食べるとさらに悪化。酸水があふれでる。胃部がさわがしい。
- 《血瘀》:痛む場所が固定し、押えることを拒み、食後に著しい、吐血、黒便。
自分で出来る消化性潰瘍のお灸のツボ(経穴・つぼ)
○お灸について »
胃の六つ灸=膈兪(かくゆ)、肝兪(かんゆ)、脾兪(ひゆ)
または、膈兪(かくゆ)、 肝兪(かんゆ)、 胃兪(いゆ)、 三陰交(さんいんこう)、 梁丘(りょうきゅう)
強い刺激を与えないこと。腹部は取穴しない。
○胃酸過多
肺兪(はいゆ)、 蕨陰兪(けついんゆ)、 心兪(しんゆ)、 附分(ふぶん)、 魄戸(はくこ)、 膏肓(こうこう)、 肩井(けんせい)
消化性潰瘍の精神的および感情的要因
~心配事。
~自分に何か魅力が欠けているように思う。
~素直に喜べない。
○胃
~恐怖。
~新しいことへの不安感。
~新しいことをこなせない、消化吸収できない。
○胃酸過多
~不安
~恐れ
~懸念
消化性潰瘍におすすめのフラワーエッセンス
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消化性潰瘍のホメオパシーレメディー
- Graphites グラファイティス:胃と腸の潰瘍に。食事2時間後くらいに痛み。甘いものが苦手。乾燥肌。冷え。肌荒れ。生理不順。
- Phosphorus フォスフォラス:上腹部に焼けるような痛み。よく食べても痩せ。空腹感。胃が沈むような感覚。
- Carbo Veg カーボ ベジ :酸っぱいゲップ。胸やけ。胃痛が背部にもおよぶ。
- Argentum Nitricum アージニット:胃潰瘍の放散する痛み。悪心嘔吐。ゲップ。
- Nux Vomica ナックス・ヴォミカ:食事で痛み悪化。ファーストフードや辛いもの、お酒、たばこなどで悪化。
- Kali Bichromicum ケーライ・ビック:胃潰瘍。胃が重い。消化不良。
- Lycopodium Clavatum ライコポディウム:腹部膨満。ガスがたまって苦しい。胃の痛みは温かい飲み物で軽減。
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消化性潰瘍のヨガ・セラピー
アサナ:
リラクゼーションポーズ、 パワンムクタサナ1、ヴァジラサナシリーズ
プラナヤマ: ナディショッダナ、 ウッジャイ、シータリ、セートゥカリ、ブラマリ
ムードラ:
ヨニムードラ
食事:
消化のよいもの、水分を多く含んだもの。フルーツ。
お茶、コーヒー、アルコール、生野菜、油っこいもの、辛いものは摂らない。
消化性潰瘍のレイキ・ヒーリング(霊気療法)
○チャクラについて »
Chakra
マニプラ・チャクラ Manipura(Solar plexus Chakra)
Positions
基本ポジション+反応のあるところ、胃、胃の裏。
その他の療法
ハーブ
ジャーマンカモマイル、フェンネル、セイヨウナツユキソウ
食事
全体量を少なめに。玄米スープ、ヨーグルト、バナナ、梅肉エキス。辛いもの、カフェインは避ける。砂糖、塩は摂り過ぎない。
喫煙厳禁
ストレスを避ける。